精神分析的心理療法|岡村斉恵

精神科医による心理療法・精神療法・カウンセリングのオフィス 上野

当オフィスでの心理療法について

 

 ここでは精神分析的な考えで心理療法をしています。定期的に来ていただき、テーマを決めたりはせず、心に上ってきたことを言葉にします。治療者は基本的には黙って聞きます。沈黙に対してもその雰囲気に耳を傾けます。ときに質問や確認をしたり、感じ取ったものを言葉にして伝えたりします。

 

シンプルに聞こえるかもしれませんが、実際やってみるといろんな気持ちになります。話しにくさを感じるかもしれません。話して、苦しかったり、嬉しくなったりするかもしれません。さらにその気持ちを、伝えたくなったり、隠したくなったり、するかもしれません。

 

面接が進む中で治療者は、話す人の心の深い感情に思いを巡らせます。その治療者の理解が伝えられることで、話す人にはさまざまな気持ちが生じます。その繰り返しで、話す人の心はゆくりと治療関係の間に自然な形で展開して行きます。

 

多くの憂うつや希望のなさは、自分がコントロールできない自分の部分のために起こります。ここでは、治療者との間で、自分が知らなかった自分に少しずつ出会って行くことになります。自分で自覚のなかった思い込みのようなものが少しずつ変わります。

 

精神分析的な治療の向き不向きは、病気や悩みの種類によっては決められません。自分がコントロールできない感情、不安、イライラ、充たされなさを感じている方には良いかもしれません。あるいは人間関係の困難、を感じる方、思うような人間関係が築けない方の役にもたつでしょう。

 

しかしその一方で、誰にでもお勧めできるわけではありません。目標や宿題は決めまんので、その回ごとの達成を確認したい方には向きません。定期的に長く続けることを見込むので、即効性を期待する方や、時間と費用が確保できない場合も困難です。情緒的な体験が負担になることもあります。

 

精神分析的な心理療法は、善悪やこうあるべきを押し付けない、その人しさを尊重する方法だと私は思います。不安や不満に振り回されにくくなると、混乱が減り、より良く考えることができるようになります。それはより大きな自由度で生きるということです。

 

この文章は、読んでも漠然とした印象ばかりかと思いますが、興味を持たれたら、ご連絡をいただきたいと思います。

2025.01.23 Thursday